奥多摩の方へサイクリングに行ってきたところ、大胸筋が筋肉痛になって帰ってまいりました・・・なぜ?
さて!
最近「初心者なのですがカーボンって~」と聞かれることが多いので材質で何が違うのっていうお話!
おおざっぱに金属か非金属かって話になるのですが、乗った雰囲気で書くと。
鉄・・・・草原を素足で駆け回る感じ
アルミ・・・その辺りを普通の靴で走る感じ
カーボン・・・ランニングシューズで陸上用のコース
ってイメージですかね。
では材料としてみると
鉄・・・弾性変形域があり降伏点という独特なものがある、密度が高く高剛性、疲労限度がある
アルミ・・明確な弾性変形域がなく壊れるまでの0.2%ほどの変形を弾性変形とみなす、密度が低く変形しやすい、疲労限度がなくいつか壊れる
カーボン・・等方性の材料ではなく異方性材料であり任意の方向に強度を出せる、剛性に関しては鉄に近く密度はアルミの60%ほど
というのが特徴になるのですが・・・まぁ詳しいことはほっぽり投げて簡潔に。
鉄・・・重いけど固い。少ない量でも十分な強度が出せる
アルミ・・軽いけど軟らかい。強くするために結構な量を使う
カーボン・・軽くて強い。化学繊維を焦がしたものを樹脂で固めただけなので繊維の方向以外に引っ張るとバラバラ
以上が大まかな特徴ですかね。では、各々の材料でできたフレームのお話~
鉄
パイプが薄くても強度が出せるが、パイプを太くして構造的に剛性を出そうとすると肉厚がペッコペコのアルミホイルのごとく弱くなってしまうので細身にしてパイプの肉厚を確保しないといけない。
アルミ
構造的に剛性を出してやらないとふにゃふにゃになってしまうのでパイプが太い、パイプを太くしても材料自体が軽く肉厚を持たせても十分に軽い。
この辺りは鉄のネジとアルミのネジを並べるとわかりやすいかな?あとは空き缶、特に同じサイズのコーヒーのスチールとアルミ、同じサイズなのに重量と凹みに対する強さが段違いです。
破損などに関しては上の空き缶のように見た目にへこんでいるとか(へこんだアルミ缶って簡単につぶせますよね?これって形状で持たせているからです)ひびがはいっているなどで、見た目にわかりやすいです、
腕だけで頑張ってみた、けがをしない程度にお試しあれ、鉄は硬くアルミは柔らかいのが良く解ります、そして形状が変わることによる強度の落ちも・・・
さて、カーボンの時間だー!!
今までの金属が餅のようなものであればカーボンは麺類のようなもの!麺の方向にしかカーボンではないのです、それ以外の方向は母材である樹脂です、プラスチックです、鉄筋コンクリートのコンクリートです!
チョット細かい話になりますが、自転車って部位によってかかる力の方向や大きさが変わるのは想像がつくと思うのですが、そこに必要な材料を必要なだけ使用するのって無駄が省け軽量化できるのは誰でも考えることです、これを金属でやっているのがバテッドパイプやらハイドロフォーミング。真ん中を薄くしたり太さを変えたり、です。
では、そこに方向も加わったら?引っ張る力が強くねじる力が弱い部分、そしてその逆の部分、曲げる力とねじる力しかかからないところ。これを金属でやろうとすると方向性のない材料なので、
一番強い力に合わせて作る
こういうことになります。無駄になりますよね、弱いねじれや弱い引っ張り、そしてかからない引っ張り・・・そこで方向性のあるカーボンが出てきます。
方向があるので必要な方向に必要なものだけを使いフレームの製作ができるようになったのです、その結果があの軽さ、乗り心地、剛性などです、初めて乗った時は驚いたなぁ、タイヤの圧が下がったように感じたもの。
それでは、気になる破損についてなのですが、ヒビはわかり易くて良いのですが、恐ろしいのが、特徴である方向性のために、複数のカーボンシートを貼り合わせていることにより起きてしまうシートの間の樹脂が割れるという「層間剥離」・・・
わかり易く言うとミルフィーユのクリームがひっぺがれてばらける感じです、外から見てもわかりません、調べるのであれば超音波診断か打音検査です。
そしてこの層間剥離、落車だけでなくシートクランプなどの締め付け過ぎでも起きます、元の形状よりも変形したときに「その変形方向に弱いやつが変形しすぎて」はがれる、くらいに思ってください。
性能が高いゆえに犠牲になっているものも多いです。
こんな感じでしょうかね、もうちょっと掘り下げたいのですが文字数が大変なことになりそうなのでこのあたりで!
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